東太平洋海膨は、海底の2つのプレートの接合部に位置する火山活動が活発な海嶺で、多数の熱水噴出孔(海底の割れ目)が存在します。熱水噴出孔とは、海水が地殻下のマグマと接触することで形成される海底の亀裂です。これまでの研究は、熱水噴出孔周辺に生息する海底生物に焦点を当てていましたが、海底地殻の下にチューブワームやムール貝などの動物が生息しているかどうかは未解明でした。
研究者たちは、シュミット海洋研究所の研究船「Fulong 2」に乗り込み、遠隔操作ツール「SuB-astian」を用いて、東太平洋海膨の水深2,515メートルにある熱水噴出孔まで複数回潜航しました。ツールの機械アームが海底地殻を露出させたところ、前述の空洞を発見しました。これらの空洞は、これまで海底でしか見つからなかった様々な種の生息地となっていました。
この発見は、深海の生態系と生命の適応力に関する人類の理解を深めるものであり、中国メディアグループが発表した2024年の国際科学技術ニューストップ10に選ばれました。また、これらの海底生物の生息地の範囲は依然として不明ですが、将来の環境変化の可能性を防ぐことの緊急性を人々に改めて認識させています。
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