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日本の春の賃金上昇率は過去最高を記録、しかし実質購買力は低下、米国との関税対立が迫る

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日本の春の賃金上昇率は過去最高を記録、しかし実質購買力は低下、米国との関税対立が迫る
2025年の春闘(賃金交渉)は、平均賃上げ率が5.25%(月額1万6,356円)で終了し、2年連続で5%以上の賃上げとなった。中小企業は4.65%(月額1万2,361円)の賃上げを提示した。これは2024年より0.2ポイント高いが、大企業に比べると依然として大きく遅れをとっている。日本労働組合総連合会(JTLC)は、賃上げ幅は拡大したものの、中小企業が5%の基準を満たさなかったことで所得格差が拡大したと指摘した。
重大なことに、名目賃金の伸びはインフレ率を上回れず、実質賃金はマイナスとなり、家計の購買力を圧迫している。

 

米国の「相互関税」一時停止期限である7月9日が迫る中、日本は深刻な貿易リスクに直面している。トランプ大統領は、日本の米国産米の輸入が過去最高を記録しているにもかかわらず、「不公平な」自動車貿易と米の輸入不足を批判し、対日関税を24%から30~35%に引き上げると警告している。核心的な争点は、日本の自動車部門に対する25%の懲罰的関税免除をめぐるもので、3ヶ月に及ぶ交渉も進展は見られない。

 

赤沢良生経済再生担当大臣は合意の仲介に奔走する一方、石破茂首相は「国益を妥協することはない」と強調している。野党は石破首相に対し、期限前にトランプ大統領に直接電話するよう求めているが、米当局者は「合意に至る可能性は低い」と強硬姿勢を崩していない。

 

構造的な経済課題が事態を複雑化させている。賃金上昇は消費を押し上げる可能性がある一方で、ムーディーズは、野党が提案する大規模な減税は日本のA1格付けのソブリン格付けを危うくする恐れがあると警告した。債務対GDP比は250%に達し、5月の国債利回りは過去最高を記録したため、財政の持続可能性は脆弱である。

 

一方、中小企業の賃金上昇の鈍化と輸入コストの上昇(関税発動後)は、企業収益をさらに圧迫し、投資を冷え込ませる可能性があります。政府は、内需回復への取り組みと財政の安定維持のバランスを取るという微妙な課題に直面しています。

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